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作成: 2024-11-11
作成: 2024-11-11 09:50
1767年、英国王立天文学会はジョン・ハリソン(John Harrison)の革新的な航海用時計H4に関する詳細な技術文書を発表しました。この文書は、航海用クロノメーターの歴史上、最も重要な出版物の1つと評価されています。今日はこの文書を通して、H4が持つ革新的な技術を見ていきましょう。
[Fig. 5 - 퓨지とメインスプリングシステム]
H4の最も注目すべき特徴は動力伝達方式です。上の図で見られるように、最初の車輪と퓨지(Fusee)を通して一定の力を伝達するように設計されています。特に、55個の歯を持つラチェットと75個の歯を持つ永久ラチェットを通して、精密な動力伝達が可能でした。
[Fig. 4 - コントレイトホイールと8ピンシステム]
また、コントレイトホイールに取り付けられた8本のピンを通して、8分の1分ごとに自動的に巻き上げられる独創的なレモントワー(remontoire)システムを実現しました。これはまるで、8秒ごとに作動する小さな時計を内蔵したような原理です。
[Fig. 12 - 温度計とバランスシステム]
当時の時計の最大の課題の1つは、温度変化による誤差でした。上の図は、ハリソンが考案した「温度計カーブ」装置を示しています。この装置は、AAで示される上部プレートと、BBで示されるバランス、そしてaaで示される温度計が1つのシステムとして動作し、温度変化に対応しました。
[Fig. 8 - パレット詳細図]
[Fig. 9 - バランスとバランスホイールの比率]
イースケープメントの革新的設計は、Fig. 8と9で確認できます。特にFig. 8のパレットは実寸の10倍で描かれており、詳細な構造を示しており、Fig. 9はバランスとバランスホイール、パレット間の精密な比率を示しています。
[Fig. 3 - 第2車輪と第3車輪]
H4の歯車は非常に精密に設計されています。第2車輪は120個、第3車輪は144個の歯を持っており、それぞれ18歯と16歯のピニオンと噛み合って正確な動力を伝達します。
最後に注目すべき点は、ハリソンの革新的な熱処理方法です。彼は鉛とピューターの比率を精密に調整した合金を使用しましたが、バランススピンドルはピューターと鉛を1:12で、バランススプリングとピニオンは1:17で混合し、それぞれ異なる温度で熱処理しました。
ハリソンのH4は、単なる時計ではなく、18世紀最高の精密機械技術が凝縮された傑作でした。上記で見た図面は、彼の天才的なエンジニアリング能力をよく示しており、現代の精密時計製作の基礎となりました。
このような革新的な設計は、航海術の発展に大きく貢献しただけでなく、精密機械工学全般に大きな影響を与えました。H4の遺産は、今日まで高精度機械製作の基準となっています。
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